相続対策
平成24年の厚生労働省の発表によりますと、
日本人の平均寿命は、男性:79.44年・女性:85.90年となっており、
皆様ご承知のとおり、日本は今や4人に1人が65歳以上という高齢化社会となりました。
また、国税庁の発表によりますと、
平成24年の相続財産の構成比は土地・家屋等の不動産が全体の5割強を占め、
続いて現金・預貯金、有価証券等となっており、高齢者世帯における持ち家比率は8割を超えています。
この様な多くの高齢者の方々が抱える大きな悩みのひとつは、
不動産をはじめとした「資産を次世代に円滑に承継すること」ではないでしょうか。
平成25年度の税制改正により、平成27年1月より相続税の基礎控除額は4割引き下げ、
また最高税率は5%引き上げられ、実質的には大きな増税となりました。
また、贈与税につきましても最高税率が5%引き上げられました。
現時点において年間の死亡者数に対する相続税の課税件数の割合は約4%強ですが、
この税制改正により相続税の課税対象者は現在の倍程度になることが予想され、
特に都心部では課税対象者が20%弱になるとの試算もある様です。
この基礎控除額は昭和63年の税制改正前後とほぼ同水準となりますが、
当時と決定的に異なるのは景況感です。
昭和63年頃の日本は、いわゆる「右肩上がり」の経済状況でしたが、
停滞していた経済に一部明るい兆しが見えてきたものの、現在もなお先行き不透明な状況は続いております。
このデフレ経済における資産デフレ・大増税は、一部の富裕層だけでなく、
大多数を占める中間所得層にも大きく関係してきます。
辛く悲しいことではありますが、「相続」は、年齢・性別・資産の大小等にかかわらず、
生きている以上誰もが絶対に避けることはできない、必ずや直面する大きなテーマです。
また、矛盾するかもしれませんが、
私は必ずしも資産を残すことや節税することだけが相続対策であるとは思いません。
「相続」するということは、資産そのものだけでなく、
その資産を残してくれた方の「想い」や「生き方」等を引き継ぐことではないでしょうか。
資産は、きちんとした資産設計を行ったうえ、
その「想い」や「生き方」等を引き継いだ結果として残るものだと思います。
相続対策は、心身共に元気な時にしかできず、また一朝一夕でできるものではありません。
本来は事前にしっかりと資産分析や設計を行い、
例えば生前贈与を行ったり、不良資産を分割可能な優良資産に組み替えたり等、
時間を掛けて諸々の対策を講じる必要があります。
相続対策に関しまして、既にご相談やお問い合わせ等を頂いておりますが、
少しでもご関心がおありの方は財産評価の算定、各種情報をご提供致しますのでご相談下さい。
また、状況によりましては、弁護士・税理士・建築士等の各専門家と連携し、
より良い相続対策を考えてご提案できればと考えております。
株式会社アシュタンガ
代表取締役 山中 崇弘
【参考】
昭和63年税制改正前 基礎控除額2,000万円+(400万円×法定相続人数)
昭和63年税制改正後 基礎控除額4,000万円+(800万円×法定相続人数)
平成6年度改正 基礎控除額5,000万円+(1,000万円×法定相続人数)
平成25年度改正 基礎控除額3,000万円+(600万円×法定相続人数) ※平成27年1月より
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